カメラのF値ってなに?図モリモリで分かりやすく解説します。
こんにちは。てつみー (@te23_photohibi) です。
この記事では、カメラ初心者の方向けに「F値」について解説しています。設定を変えると写真の仕上がりがどう変わるのか?F値による写りの違いを検証して、綺麗な写真を撮るコツをできるだけ分りやすく解説しました。また、最後にF値低めで明るいオススメのレンズもご紹介してます!
F値(えふち)とは?
趣味でカメラを始めたばかりの方、カメラを手に入れて間もないみなさま、専門用語が多くて混乱しますよね(笑)
F値、ISO感度、シャッタースピードなどなど…。僕も最初はワケが分りませんでした。
実はこれらは思い通りの写真を撮影するために非常に重要な設定になりますので、ひとつずつしっかりと覚えていきましょう。
F値=カメラに光を入れる通路の広さ
F値はしばしば、水と水路の関係性で喩えられます。
まずは、こちらの図をご覧ください。
水路が広いとたくさんの水が流れ、狭いと少しの水しか流れない。
これは理解ができると思います。
これをカメラに置き換えてみると下図のようになります。
この図でいう「光が通る通路の広さ」のことをF値と言います。
通路が広いとたくさんの光を通すので写真が明るくなり、狭いと通る光が少なくなり写真が暗く写ります。
通路のしくみ
カメラがどうやって通路の広さ(=F値)を調整しているか説明します。
F値は絞り値(しぼりち)とも言われており、カメラレンズに付いている絞り羽根という複数のプレートが閉開することで通路のサイズが変わるしくみになっています。
F値と明るさの関係
先ほど光の通路の図をイメージしながらF値と明るさの関係性を見ていきましょう。
基本的には下のような関係性となります。
F値が小さい=通路が広い=写真が明るい
F値が大きい=通路が狭い=写真が暗い
通路を広げることを「解放する」、狭くすることを「絞る」と言い、撮影の現場では「もうちょっと絞って撮ってみてください」という感じの会話をします。
F値を下げると背景がボケる
そして、F値にはもう一つ「ボケ」に関する重要な役割があります。難しい説明は省きますが、F値を下げると背景がボケやすくなるということを覚えておいてください。
これには被写界深度(ひしゃかいしんど)というものが関係してきます。
被写界深度とは?
写真の中でピントの合っているエリアの広さを表すのが被写界深度(ひしゃかいしんど)です。被写界深度は「浅い」や「深い」と表現され、下記の関係性が成り立ちます。
・F値が小さい(被写界深度が浅い)=ピントの合うエリアが広い
・F値が大きい(被写界深度が深い)=ピントの合うエリアが狭い
一眼レフカメラの醍醐味である、背景が綺麗にボケた写真を撮りたいときは「被写界深度が浅い(=F値が低い)」設定にすれば撮影することができます。
「F値が低い」って、どれくらい?
では、いったいどれくらいならF値が低いとされるのでしょうか?
これは人によって感覚が異なりますが、僕は「F2.8(ニッパチ)の壁」というものを一つの基準として設けています。
あくまで個人の感覚的基準にはなりますが、F値が2.8より高いか低いかによって映る写真のニュアンスが全く違ってきます。
F値による写りの違い
F値が大きくなるとどうなるのか?逆に低くなるとどうなるのか?実際に具体的なサンプルと合わせて被写界深度の違いを見てみましょう。
特に背景や手前のテーブル部分はF値によってかなり写り方に差があることが分かると思います。
F値の設定方法
自分でF値を設定しながら撮影したい場合、Av(絞り優先)モードもしくはM(マニュアル)モードをセレクトします。
初心者の方はいきなりマニュアルを使うのはハードルが高いと思いますので、ひとまずは絞り優先モード(Av)でF値をコントロールする感覚を掴むのがいいと思います。
僕もほとんどの場合、この絞り優先モードを使って撮影しています。
F値の調べ方
どのようにしてF値を調べたらいいか解説します。
実はカメラレンズには「最小F値」が記載されている
カメラのレンズを見てみると「1:4」や「1.4/85mm」という数字が記載されています。
これはそのレンズのもっとも低いF値を表しており、この数値が低ければ低いほど明るいレンズであると思ってください。
ちなみに、最小F値のことを解放F値と言ったりもします。
また、解放F値はレンズの商品名からも読み解くことができます。
たとえば「EF50mm F1.8 STM」という商品名であれば解放F値が1.8であることがわかります。
界隈では、よく「明るいレンズはいいなぁ」というような言葉を聞きます。
単純に暗い場所でもブレずに撮影しやすいということもありますが、「解放F値が低くて綺麗にボケるレンズ」という意味合いが大きいです。
F値低めのおすすめレンズ
F値が低い=明るい=ボカしやすいレンズということになります。
明るいレンズを使用することで、背景がボケた綺麗な写真を撮ることができますので、レンズ選びも非常に重要なポイント。
今回は、F2.8以下の明るいレンズの中でもコスパが良く気軽に挑戦できそうなレンズをまとめてみました。
おすすめレンズ① EF50mm F1.8 STM
Canonの撒き餌レンズとも言われるほどコスパの高い(=価格が安い)標準単焦点レンズです。実売価格で約15,000円(2021年6月現在)。
おそらくCanonユーザーならほとんどの人が通ることになるのではないでしょうか(笑)
コスパだけではなく、描写の方もなかなかGOODです。
50mmという画角も使いやすくて便利なので、初めての明るいレンズ体験におすすめの1本です。
おすすめレンズ② EF40mm F2.8 STM
40mmという絶妙な画角のパンケーキレンズ。実売価格は約21,000円(2021年6月現在)。
F2.8とギリギリのラインですが、軽量・コンパクトが魅力的なレンズです!小さくて見た目もかわいい。
40mmという画角はスナップにも向いていますので、ちょっとした旅行やお散歩しながら撮影するのにちょうどいいです。
おすすめレンズ③ SAMYANG 50mm F1.4
韓国メーカーのSAMYANG(サムヤン)から発売されている50mm単焦点レンズです。実売価格は55,000円程度(2021年6月現在)。
F1.4は明るい明るい!深いボケの世界へと誘ってくれることでしょう。注意点としてはマニュアルフォーカスというところでしょうか。(シャッターボタン半押しではピントを合わせてくれません)
まぁ、F1.4でこの価格なら仕方ないと思いますが、初心者には少し難しいかも・・・?
スペック比較表
商品名 | おすすめ① EF50mm F1.8 STM | おすすめ② EF40mm F2.8 STM | おすすめ③ SAMYANG 50mm F1.4 |
---|---|---|---|
実売価格 ※2021年6月現在 | 約15,000円 | 約21,000円 | 約55,000円 |
解放F値 | 1.8 | 2.8 | 1.4 |
最小F値 | 22 | 22 | 22 |
焦点距離 | 50mm | 40mm | 50mm |
サイズ | 6.9 x 3.9 x 3.9 cm | 6.8 x 6.8 x 2.3 cm | 8.3 x 8.3 x 11.1 cm |
重量 | 159g | 132 g | 699 g |
フィルター径 | 49mm | 52mm | 77mm |
最短撮影距離 | 0.35m | 0.3m | 0.45m |
フォーカス | AF / MF | AF / MF | MF |
レンズマウント | キヤノン EF | キヤノン EF | キヤノン EF |
フルサイズ対応 | ○ | ○ | ○ |
おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
個人的に一番のおすすめは、価格とF値のバランスが最高に良い「おすすめレンズ① EF50mm F1.8 STM」です。このレンズが持っておいて損がありませんので、ぜひこの機会に明るいレンズを体験してみてください。
まとめ
写真の明るさを調整する設定の一つであるF値について解説しました。
上手にコントロールすることで、狙い通りの写真を撮ることができます。
背景がフワ〜っとボケた写真が初めて撮れた時「あ、こうやって撮るのか!」という感動がありました。
是非、F値をコントロールして美しい写真を撮る感動を味わってください。
それでは、また。
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